嘘
皆様は、嘘をついたことはあるでしょうか。みんな、大なり小なり何らかの嘘をついたことはあるかと思います。嘘にもいろいろな種類があります。完全に人を出しぬいて自分だけ得しようという嘘、ドッキリさせるためのちょっと滑稽な嘘、自分の保身に繋がる嘘、相手を守るためにむしろ自己犠牲を払うような嘘、実験装置が故障しているがそれを教員が認めないため仕方なく都合のいい値だけを取り出してうまく行ったことにする嘘、……いろいろありますね。
全く嘘をつかないと笹松くん*1 が言うところの「歯がフルチン」*2 になってしまいます。例えば、面接に行って「なぜ御社を志望したのですか」という質問に、「関西から離れたくないからです。それ以外は特にないです」などと応えるならまだしも、「働きたくないです。働いてもいいから有休年間 5 億日寄越せ」などと応えることになります。働きたい奴なんかいるのかよ。そうすると、当然内定なんか出ず、路頭に迷うことになります。これは言うなれば保身タイプの嘘ですね。
それはさておき。嘘をつくことはときとして楽しい場合があります。相手が自分の嘘を信じきっているとき、脳内麻薬物質がどぱどぱ出ているような気がします。ドーパミンなのでどぱどぱ。美しき擬態語の世界。僕は着ぐるみ*3を着てグリーティング*4 をしているとき、「人に嘘をつく」快感を得ているような気がします。
僕は男性です。が、美少女着ぐるみを着ている以上は、女の子を演じなければなりません。自己の性別に嘘をつくのです。ましてや、グリの最中に「25 歳男性です。誕生星座は牡牛座、血液型は A 型、京都府在住です。働きたくないです」などという相手に何のメリットも与えない自己紹介はすべきではありません。その結果、歯どころか全身に衣を着せて、美少女であることを表現することになります。僕は幸いにして 163cm / 50kg という女の子としては十分範疇に収まりうる体格をしていると自負しておりますので、うまく操演すれば、まあたぶん相手を騙すことに成功するでしょう。「女の子?」って聞かれることがあります。まさか聞いた相手も「25 歳男性です。ポリマクロモノマー*5 の高分子希薄溶液物性について研究しています」などという回答は期待していないはずです。したがって、その質問に対する回答は、頷くという形で嘘をつくことになります。
はぁ……中の人は男性……。