京都

 僕は今、京都に住んでいます。生まれは大阪の中途半端な田舎なのですが、大学進学のために京都に移り住んできました。京都という街は、まあおよそ学生が住むのに最適化されていて、それ以外が住むには不向きな街だなあというのを感じました。

 

 京都大学は、京阪鴨東線出町柳駅から徒歩15分というなかなかの好立地にありますが、京大生が住むのは、出町柳の位置する川端通より東側です。西側は同志社生のテリトリーのため、京大生がおいそれと住むことはできません(マジで向こう方面に住んでいる人の話を聞いたことがない)。したがって京大生が住むのは、高野や白川通沿いになります。となると、駅からはかなり遠いです。僕が吉田に住んでいた時代は駅から徒歩40分かかりました。18きっぷなどで駅へ向かうときは、この距離を歩いていました。

 ただ、それでもあまり不便だというか不憫な感じはしませんでした。大学へは傾斜の比較的なだらかな坂を自転車で10分程度だったのもありますし、家の近くに24時間営業のスーパーがあったのも大きいです。少し自転車を走らせれば、一乗寺のラーメン屋や百万遍の定食屋などがあり、学生街として発達していたのもあります。

 

 桂に移り住んでからは、なんか一気に老けこんだ感じがしますね。ファミリーが住むには閑静で、治安も悪くなく、落ち着いた街で、なんとなく阪急のハイソな雰囲気があり、悪い街ではないのですが、車がないと動きづらい、いわゆる郊外の様相を呈しています(特に9号線沿い)。吉田の若い街全体が浮ついた学生街の雰囲気を知っていると、ああ島流しされたんだなあという実感がわきます。

 

 市街地はなんかもう都市としては失敗しているといっていいです。あまりにも貧弱な地下鉄路線網。行きたいところに走ってない、使う理由を思いつかない。なんで烏丸なのか。京都駅から河原町駅まで地下鉄一本で行けるようにしろよ。あと、百万遍。あそこにも何かしら駅を作るべきですよね。たぶん京都市民は、京都市営地下鉄よりも大阪市営地下鉄のほうが使う機会が多いと思います。

 あまりにも狭い歩道。ただでさえ観光客が溢れかえって歩けないのに、歩道が狭いから常にキャパシティオーバー。流石にまずいのかと思って、歩道を拡幅しましたが、その煽りで車道は対面二車線に。奈良県かよ。

 そんなわけで車道は常にキャパシティオーバー。そこを市バスが走るものだから、定時性なんかなにそれおいしいの状態。市バスもバスターミナルがなく、四条河原町では全てのバスが路上に停車。どこに自分が乗りたいバスが停まるのか、そもそも自分がどのバスに乗りたいのかも分からない複雑怪奇な運行系統、ザ・初見殺し。

 かといって地下鉄や鉄道は走ってない。そんな京都が出したキャッチフレーズは「歩くまち京都」。あのさぁ……。

 

 エージェント歓喜。