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梅干し

 皆さんは梅干しって好きですか。外国人にとっては、納豆と並んで苦手な人の多い食べ物です。僕は、わりと好きです。梅風味のおかきとか、梅肉和えとかは地味にテンションが上がります。
 梅干しと言うと、中学のとき友人が英語のテストの自由英作文で"Do you like umeboshi? Yes, I am umeboshi."という謎の文を書いていたのを思い出します。お前、梅干しだったのか。

 梅干しにもいくつか種類があります。汗が出てくるほどしょっぱいやつ、とにかく酸っぱくて唾液が出てくるやつ、昆布由来のアミノ酸を効かせたとにかく旨味の強いやつ、蜂蜜につけた甘みの強いやつなど。この中でも、僕は蜂蜜につけた甘みの強いやつはギルティだと思っています。なんで、蜂蜜につけちゃうの。梅干しも梅干しだよ、なんで梅干しとして生まれたのに、蜂蜜なんかと仲良くなっちゃうの。お前、梅干しとしての矜持はないのかよ。やはり、梅干しと言えば、思い出すだけで唾液が出てくるようなやつでしょう。あるいは、減塩なんかくそ喰らえとでも言わんばかりの塩辛いやつ。お前らこそご飯のおかずにこそ相応しい。

 家族と白浜だかに旅行に行った紀州の道中、梅干し館みたいなところがあって、そこに立ち寄ったのを覚えています。とにかく数多くの梅干しが試食できて、酸っぱいやつを食ってはうおーってなっていました。概ね家族も僕と同意見で、酸っぱいやつやしょっぱいやつが好きで、蜂蜜につけられた腑抜け野郎はスルーされていました。

 実家でも庭に梅の木がありまして、父が梅干しを作っていました。まあ、父の趣味なんだろうけど今思うとすごいな。春先になると庭でなった梅を取って、それを竹のザルに入れて天日干しし、文字通り梅干しを作るのです。最初の何年かは出来が良くなく、祖母に「ぼろ梅」と評されたものでしたが、父の技術力向上により、年々美味しい梅干しができるようになってきました。梅干しは保存が効くのでほぼ一年に渡り、食卓に梅干しが並んでいました。調子に乗った父は、カリカリ小梅の制作にも勤しみ、これがまた美味しかったのです。カリカリ小梅の種は歯でなんとかかち割れるので(今やると歯が欠けそうだ)、中から出てくる胚を食べるのが好きでした。ただ、あれは体に悪い*1 らしく、あまり数を食べるな、と言われ、それがまた余計にプレミア感を増し、美味しかったんだと思います。あくる年からは梅酒も漬けるようになりました。

 一人暮らししていると、梅干しはなかなか食べないですけどね。一パック買っても、あんなにいらないし。究極にお金がないときは、多分あれだけをおかずにご飯が食べられるんでしょうけど。

*1:胚に含まれるアミグダリンが代謝によりシアン化合物になるらしい。