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計算

 僕は、あまり計算が得意な方ではありませんが、ちょっとしたことで計算ミスが格段に減りました。それまでとりあえずガーっと計算して、すべての問題を解き終わったら、もう一回一から解き直すという"見直し"方法を取っていたのです*1 が、あるとき高校の数学の先生が、「見直しをするときは、一行途中式を書いたら、すぐに上に戻って自分の書いたその途中式が正しいかどうか確認しろ」とおっしゃいました。王道というには、あまりに愚直な方法で、何を馬鹿なと思いました。しかし、当時の僕は、数学のセンター試験で、IA ですら 70 点くらいしか取れない感じで、時間も足りなく、問題を二周する余裕もなかったため、この方法を取ることにしました。すると、点数は飛躍的に伸び、IA は 100 点取れなかったらクソ、と言える程度にまで伸びました。

 計算は正直なところ好きではありませんが、アレルギー反応を引き起こさなかったのは、小学校の頃から中学校の頃にかけて通っていた公文のおかげがあると思います。公文は、小学校 2 年から中学校 3 年の頃まで通っていました。特に、数学においては、中 3 の段階で高 2 レベルの積分を解いていました。まあ、積分の意味を当時の僕が分かっていたかどうかは怪しいところですがw 公文の特徴的な点として、小数よりも先に分数が出てくることです。学校で、小数を先に習うんですよね。歴史的には 1 より小さい値を記すのに、小数より分数の方が先に発明されたそうです。確かに、帯分数と仮分数など厄介でとっつきにくい点はありますが、公文ではとっつきにくいとかいう以前に、ああしろこうしろと機械的に問題を解かされるので、ごく自然に分数と仲良くできたというのがあります。ほどなくして、文字式も小学生の頃から扱っていたので、a やら x やら y やら分数やらを見ても、拒絶反応することなくすんなり飲み込むことができました。公文だけでは、はっきり言って受験はおろか学校の定期試験にすら直接は役立ちませんが、それでも僕の骨となり肉となり、今の僕に公文の血が流れていることは疑いないでしょう。

 ところで、僕は院生のころ、塾の個別指導のバイトをしており、中学生をよく教えていましたが、やはりみんなの計算能力は低かったです。とにかく解くのが遅いし、計算ミスもかなり多い。ちょっと優秀そうに見える子ですらです。ただ、3 年間も個別指導講師をやっていると、だいたいみんなの弱点が見えてきます。例えば、
(3a-2)/3 - (2a+5)/2
のような式があったとき、当然通分をすると思うのですが、彼らはこれを
(6a-4-6a+15)/6
と書いてしまうのです。展開のところで符号をうっかり間違えてしまったんだね、って流すところですが、十中八九彼らはこれをうっかりミスではなく、本気で間違えています。「長い分数」*2 の通分の仕方を知らないのです。だいたい卒業までに同じ生徒に三回くらいは指導します。文字式を習いたてならともかく、受験まで半年といった子たちが真顔でこんなことをやるのだからどうしようもないです。あと、
(3a-2)/6

(a-2)/2
と約分してしまうとかね。あと、中1で初めて正負の数を習ったときに、項の概念を知ってもらうために、紙にでかく式を書いて、それを符号の前ではさみで切って並べ替えても、答えが変わらないことなどを意識させてみましたが、伝わってるかどうかは五分五分です。

 中学の頃の計算なんて、はっきり言ってぬるゲーです。計算が暴力を振るうのは、ぶっちゃけ僕は高校の化学だと思っています。物理はなんだかんだで、文字式で計算になっちゃうんですよね。なので、計算と言っても等式変形をすればいい。一方で、化学は基本的に有効数字 3 桁の数値計算が多いです。当然、アボガドロ定数は 6.02×10^23 mol-1 ですし、気体定数は 8.31×10^3 Pa L K-1 mol-1 ですし、ファラデー定数は9.65×10^4 C/mol なわけです。結晶格子の問題になったら、3 桁 の小数を三乗したりだとか、まあ、とにかく中学のときとは比べ物にならないくらい夥しい量の数値計算をしなければならないわけです。当然プリントやノートには溢れかえる筆算。割り切れるのも中学までの甘えで、高校化学ではこいつを有効数字 3 桁で丸めなければならないわけです。鬼か。まあ、中学レベルの計算で辛いだのなんだの言ってたら、高校の化学なんてやっていけないぞ、と見て思っています。まあ、たぶんそんな計算やることないんでしょうけど。

*1:宿題など点数がつかないものは一回解いて放置だった。

*2:僕が勝手にこう呼んでいるが、分子が単項式ではなく多項式な分数のこと。