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コスプレ

 今でこそコスプレイヤーの端くれとしてやっているのですが、高校時代はまさか自分がコスプレイヤーになるとは思っていませんでした。というか着ぐるみが着れるようになるとは思っていなかったので感無量なわけです。まあ、それはさておき。それでも、高校時代に実は一度だけコスプレイベントというのには行ったことがありまして。今日はその話を少々しようかと思います。

 知っての通り(?)、僕は高校時代、文芸部に所属していました。文芸部は、漫画アニメ研究部(以下漫研)と一緒に活動していたのですが、漫研の同期と先輩がレイヤーさんで、折にふれてコスプレイベントに行っていました。また、文化祭の時期には衣装の制作も行いメイド服なども作っていました。ここから先は全くの余談なのですが、文芸部の同期(男)が、「メイド服はロング丈であるべきだ」という原理主義者的主張をしていたのを、そのレイヤーさんが「布代がもったいない」と一蹴していたのは興味深かったです(そんな変わるんだろうか……)。

 

 で、そのレイヤーの先輩は、普段ならまあ趣味仲間とイベントに参加していたのでしょうが、一度だけ文漫*1 のメンバーをコスプレイベント*2に誘ってくれたことがありました。2008 年 3 月だったので 8 年前ですね。驚くべきは、当時ではまだ今よりも珍しかったオタクを自称(?)していた英語の先生(男性)までにも声をかけ、参加することになっていたことです。ただ、あいにく当日の体調不良により欠席してしまいましたが。場所は、南港ATC*3。当時からレイヤーさんの聖地だったんですねえ。

 

 当時は今よりも自由度が低く、外に出るレイヤーさんは少なかったか、あるいはそもそも禁止されていたと思います。実際当時の写真を見ても、外での撮影はなく、屋内のもっぱらロール紙背景だけの写真となっております。これ、クラウスさんやたかはるさんやHOSOnさん*4の家でも撮れるな、と今なら思っちゃうわけです。今や、ATC の外はおろか、神戸市内の街や、京都の観光地のど真ん中や、奈良の人通りの多いところで、一般人に囲まれながら、それはもうフリーダムにやらせていただいていますがね。まあ、当時の僕そして世の中というのは、そういう時代だったのです。作品は、らき☆すたやボカロやハルヒひぐらしがメインみたいです。これらが青春を象徴するものとなっているという点に些かの残念さを拭いきれませんが、まあこれらが「旬」だった時代なんですよ。これらを「懐かしい」という感情なしに見ていた時代なんです。あれ、目から汗が。

 僕は、コスはせず、「カメコ」として参加したわけですが、若気の至りと言うほかありません。10 人くらいのメンバーで行ったのですが、多分 3 分の 2 くらいがコスをしていたと思います。まあ、無理やりコスさせられている先輩もいましたが。女装コスはどうなんですかね。当時は禁止されていたか、少なくとも今よりはずっとマイナーな存在だったはずです。

 

 僕にとって初めてとなるコスプレイベントでしたが、やはり社会見学としての側面が強く、非常に印象に残ったのを覚えています。今でこそ朝飯前の茶漬けとでも言わんばかりに、僕がさくっとコスプレイベントに参加しちゃったり、参加しないにしても肌タイ着て衣装来て面被って"コスプレ"をできちゃうわけですが、当時の僕あるいは世の中にとっては、コスプレなんてそれこそ遠い世界、パソコンか下手したらテレビの向こう側の世界だったわけなんです。ニャー速*5痛いニュースなんかで「コミケのコスプレまとめ」みたいなんかで、破廉恥で扇情的な格好をした姉ちゃん('(扇情的な格好(=着ぐるみ)をする兄ちゃん……。はぁ……中の人は男性……。))という、昭和生まれの人みたいな認識だったわけです。それを生で見た訳ですから、まあ少なからず勉強になりました。「髪の毛が! 有彩色の人間がいる!」なわけです。俺は初めて南蛮人*6を見た室町時代の人間か。「服が! アニメや!」など深刻な語彙力の低下を来すわけです。それくらい不思議な気分になるのです。まるで心地の良い悪夢を見ているような、非日常体験をしました。

 

 コスプレってのは非日常なんですよね。今でこそ日常の一部というか、ぶっちゃけ仕事に行っている自分のほうが非日常で、着ぐるみを着ている自分のほうが日常なんだ、とさえ思っているほど当たり前になってしまっているんですが、初心忘れるべからず、初めてコスプレイヤーを見た時のドキドキ感を時には思い出して、肌タイに手足を通すべきだとブログを書きながら思いました。

*1:文芸部と漫研の総称。

*2:当時の参加証は、僕はよほど珍しかったのかスキャンして保存していた。ちなみに今見たら、 COSJOY だった。

*3:大阪南港アジア太平洋トレードセンター。当時から現在に至るまでコスプレイベントが頻繁に開催されている。

*4:いずれも着ぐるみクラスタの人で、家に「撮影場所」がある。

*5:当時あった 2 ちゃんねるまとめブログ。

*6:室町時代末期から江戸時代にかけて日本を来訪したポルトガル人やスペイン人。