キス

 皆さんはキスをしたことがあるでしょうか。私はあります。
 みたいな書き出しってすごく笹松ブログっぽいよね、みたいなことを思いながら書いてみました。
 どうも最近自分で書くブログがそんなに面白いと思いません。理由はわりと簡単で、笹松氏のブログやどざいさんのブログが面白いからで、それらに比べるとどうしても自分のブログが見劣りすると思ってしまうからなのです。
 あとこれは一般によく言われることなのですが、ネット上での執筆活動というのは、受験を控えているなどリアルでの活動がわりと切羽詰まっていたりしているときの方が面白いそうです。実際、笹松氏のブログの最盛期は、退職寸前であったと言われています。
 ところで、このブログ記事を書いている1月3日16時現在は、関東への5泊6日の旅行の帰路なわけで、明日から仕事という「精神的にわりと切羽詰まってる」状態なわけであります。ということは、今なら、わりと面白い記事が書けるんじゃないかと思い、筆を執ってみることにしました。しかも僕は、着ぐるみしか能のない人間なので、着ぐるみのことをテーマにすれば、そこそこ面白い記事が書けるんじゃないかと踏んだわけです。
 さて、今回のテーマは「キス」です。おいおい、キスをテーマにしておきながら、第一パラグラフで「着ぐるみ」と限定している時点で、生身の女の子へのキスの話は排除してしまうのかよ、というところですが、はい、そうです。
 生身の女の子にキスしたのなんて10年くらい前ですからね。ていうか、世間一般の男性は「女の子」という名詞に「生身の」なんて形容詞つけないですからね。着ぐるみ界隈の男どもがいかに狂っているかよく分かりますよね。そもそも世間一般の男性は、ネットで知り合った本名もろくに知らない男性に"女装"して抱きついたりしませんからね……。

 

 着ぐるみさんとキス。これはざっくり次の二通りに分けて論じることができます。一つ目は、自分が外の人として着ぐるみさんにキスするケース。二つ目のケースは、自分が中の人として外の人にキスされる、あるいはキスするケース。ここでは外しましたが第三のケースとして着ぐるみさん同士でキスする場合も考えられますが、これは硬い同士が接触することになり、面の塗装が剥げることがあふので、おすすめできません。

 一つ目の「自分が外の人として着ぐるみさんにキスするケース」ですが、実際僕は着ぐるみさんにキスするのが大好きです。キスをするのは、閉じ口に限ります。開き口にはキスをしません。口を開けたままキスする女の子なんていないでしょ……。
 特に、キスをしやすいなーと思うのは、やっぱりぬこ面です。ぬこ面は、面が比較的小さく、かなり近くまで寄っても違和感を覚えない造形をしているので、その意味でキスがしやすいと思うのです。着ぐるみさんとイチャイチャするときは、まず着ぐるみさんを抱きしめ、キスをしながら股間を弄る。最高です。特に、キスをしたときに、面の内部が中の人の呼気によって温められ、人肌程度に温められている場合があり、人形なのに"体温"を感じる、というギャップを楽しむことができます。
 二つ目の「自分が中の人として外の人にキスされる、あるいはキスするケース」。わざわざここで「あるいは」という接続助詞を挟んだのは、この両者は厳密には異なるからです。外の人にキスされる受動的なキスはまあ外の人が勝手にやる分なので、なにも問題ないのですが、自分からキスをしにいく能動的なキスは、操演者のテクニックが要求されます。というのも、自分の口の位置と自分が被っているキャラクターの口の位置が異なるからです。当たり前ですね。特に、一般に着ぐるみは顎上がり*1する傾向があるために、やや下を向く必要があるにも関わらず、キスをするためには口が下に付いているために、そのときだけは上を向く必要があるのです。それでも正確なキスは難しいためにある程度まで合わせて、「キスをせがむ」ような仕草を見せるといったテクニックの合わせ技も考えられます。知らんけど。さらにキスをするときは両唇吸着音を鳴らし、あたかも本当にキスをしたかのように見せるといった高等テクニックを駆使することもあるらしいです。知らんけど & 知らんけど。


 先日、とあるオフで僕が着ぐるみを着ているときに、とあるまだ着ぐるみを初めて一年かそこらしか経っていない方にキスをしたのですが、その方は「着ぐるみさんにキスされたの初めて……」とちょっと驚かれていました。いやー、初めて奪っちゃったな、てへぺろ
 本ブログではまだ公開しておりませんでしたが、新しい娘として岡山さん*2より初音ミクをお迎えしました。そのお披露目オフ中の話なのですが、岡山さんの前でクラウスさん*3にキスされました。岡山さんは、それを見てたいそう驚いたらしく、「いやー、自分の作った面にキスをする人って初めて見ました」と感心した様子でした。なんでも、岡山さんは、着ぐるみ業界に入るのに複雑な経緯のあった方で、周りが着ぐるみに関する情報を一部封鎖していたとのことで、そもそも着ぐるみに対してそういった種類の愛情表現をするということが新鮮だったようです。いやー、またしても初めて奪っちゃったな。てへぺろ

 

 と、このように、着ぐるみさんとキスというのは、着ぐるみ界隈では比較的commonな行為なのですが、その一方で、どざいさん*4のように「着ぐるみとキスするのは、なんか作りものっぽさを如実に感じてしまうので好まない」と"斜に構えた"見解を述べる人もいます。以前、僕が彼のことを「斜に構えている」と指摘したことを不服に思っているらしく、それに抗議する内容の記事をブログに挙げていましたが、一転。「僕は彼らほどハードボイルドにはなれないし、僕は自分のちんこに着ぐるみの中で射精させることなんてできない」という謝罪文を声明するに至りました。いやいや、着ぐるみの中でオナニーしないって、お前パンピーかよ……*5
 いろんな男性が着ぐるみさんにキスしているなら、着ぐるみさんにキスすることは他の男性と間接キスしていることと同義になりますからね。あ、でも、それって現実の女性でも同じか。ビッチなら特に。パンピー男性、女性を介して他の男性と間接キスしていることになる説、これ水曜日のダウンタウンで紹介されませんかね。
 最後にキスと似て非なるものを一つ。上記で口開きの娘にキスはできないということを述べさせてもらいましたが、以前とあるところで口開きの娘をやらせていただいたときに、例によってキスされたのですが、口開きの娘にどんなふうにキスするのかなあと思っていたら、口に開いているスリット越しに中の人の呼気を吸うというプレイを楽しんでおられました。後頭部に手を入れて、温もりを感じることで中の人の存在感を感じる方は多いのですが、このように口のスリットを通じて、中の人の呼気を吸う人もいるのだなあ、と感心した覚えがあります。ですので、着ぐるみを着る前に、にんにくを大量に食うなどといった行為は絶対にしてはいけませんし(このあと自分をかわいがってくれるであろう人に何らかの嫌がらせというテロ行為をしたいのなら別ですが)、ブレスケアの大事さを説く一件となりました。小林製薬も「着ぐるみ着るその前に」みたいな感じで、テレビCMを打つといいのではないでしょうか。

*1:着ぐるみの視界と自分の視界がズレるために、着ぐるみを外から見ると上を向いている、すなわち顎が上がっているように見える現象。これを防ぐために操演者は常に上目遣い気味に外を見る必要がある。

*2:最近、着ぐるみ業界に面を供給しているクリエイター。阿見工房とも。もなか工房の弟子。大学院でも着ぐるみと経済を研究している。

*3:着ぐるみさんに対する愛情表現には定評がある。

*4:芸人。

*5:厳密に言うと、彼がキスを好まないのは、斜に構えているよりは、「作りものっぽさを如実に感じてしまう」という哲学のためだと考えている。