同じものばかり

 僕の研究室の同期に、同じものばかり食べる人がいた。例えば、食堂で延々とかぼちゃの天ぷらをヘビーローテーションしていたり、あるいは毎日のように若鶏醤油揚げを食べ続けたりといった具合である。なお、これらの共通点は満足度のわりに値段が安い、つまりコスパが良いということである。一度気に入ったらそれを繰り返す習性のあるフレンズなんだね

 

 僕はといえば、同じものはなるべく食べたくない人種である。食堂でも昨日食べたものと全く同じものは避けるようにしていた。また、外食するときも、二つの場所で迷ったら、Swarmで自分のチェックイン履歴を探して、チェックインがより古い方の店に行くようにしている。もっとも、自炊するときは、同じものが2日続くことは当然ある。

 

 どうやら、食べるものへの考え方は、子供の頃の家庭の方針によるらしい。親が、いろんなものを作る家庭なら、いろんなものを食べたくなるし、親があまりろくに料理しない家庭なら、食への関心も薄くなる。やはり、家庭での教育がその人の価値観にもたらす影響は大きい。

 

 ところで、よくよく考えてみると、僕にもヘビーローテーションするものがあった。それは動画の視聴である。僕の過去の行動を回顧すると、一度気に入った動画を繰返し視聴する習性があるらしい。僕が「みくみくにしてあげる」のダンスを練習していることは周知の通りであるが、それに伴い、YouTubeで踊ってみた動画やMMD動画をよく勧められるようになった。

 

 ここ一二ヶ月のお気に入りの動画はこれである。
 

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 EasyPopさんのハイファイレイヴァーのあぴミクMMDである。EasyPopさんって、ハッピーシンセサイザしか知らなかった……(失礼 キャッキーな曲調、ポップな音楽、大人びた歌詞に、あどけないあぴミク、かっこいいダンス。絶妙な組み合わせである。子供っぽいミクさんがこんなかっこいいダンスを踊ってるというところが、僕の心の琴線に触れたらしい。さすがあぴミクあざとい。どこを止めても可愛い。でもかっこいい。最高か。


 この動画を見る度に僕は暗澹とした気分になるわけである。僕は、MMDのミクさんよりも可愛く動けるんだろうか。不安になる。ていうか、ミクさんの着ぐるみでこんなに動けたらすごい楽しいし、めっちゃ可愛いし、ごっつかっこええやろなあと思うのだ。

 ちなみに、人間が「踊ってみた」ら、こんな感じ。

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 中学2年の「ひま」さんという踊り手らしい。初めて知ったが一目惚れである。可愛い。かっこいい。いや、マジか。これで中2か。ああ、でも、僕の塾の教え子で中2いたけど、ませてた子やったら、こんな感じやったなあ。いいなあ。こんだけ踊れたら楽しいやろなあ。そんなことを思いつつ、何度もこの娘のダンスを視聴するわけである。もうロリコンでいいや。

 

 それくらい踊れたら楽しいだろうなあと思いつつ、僕はへなちょこのダンスを練習するわけである。先日、うちに泊まりに来たLくんに僕のダンスの途中経過の動画を見せたら、サビに入る前に興味を失われ「難しいよね」などと慰めの言葉をもらった。僕のダンスは、エンドレスエイトに並ぶ「やらなきゃよかったのに四天王」に入れること請け合いである。やらなくて後悔するよりやって後悔した方がいいって言うじゃないなどと言うが、それに費やしたコストを考えると、やらなくて後悔するほうがいいという説もある。