夏場はセミしか食べない人の話

例えば、友人と一緒にご飯を食べに行こうということになったとしよう。その友人が普段僕らと同じようなものを食べているのなら、なんということはない。ほんと食べるだけというのならラーメン屋でもいいし、2時間ほどだべりたいなあというのなら、食べログで適当に評価の高い居酒屋でも選べばいい。なんなりと食べる場所はある。

ところが、その友人が、毎日毎日1万円近くするようなランチやディナーをTwitterInstagramに上げていたらどうだろう。少し一緒にご飯を食べに行くのを躊躇するだろう。

一方で、毎日毎日ジャンクフードやスーパー玉出の惣菜を食べていたら、これまた躊躇してしまう。こいつこんなに金ないのか、一緒にご飯を食べに行くところ選ぶの苦労しそうだなとか思ってしまうだろう。玉出の惣菜を食べられるなんて、普通ではない胃袋を持っているに違いない。

さらに、その友人が夏場はセミしか食べない人だったらどうしよう。あまりの美食家を食事に誘うのは躊躇するが、ひどい悪食家もこれまた誘うのに躊躇する。え、この人、ほんとにセミ食べるの、人間が食べるものとか口に合わないのかなと勘繰られ、最後には食事に誘われなくなってしまうことだろう。

着ぐるみ界隈の人間関係でも同じことが起きている。
着ぐるみ界隈も結局は人間の集まりなので、そのなかで緩やかなグループを作っており、誰それさんは誰それさんグループ、誰それさんは誰それさんと仲がいいみたいにして、なんとなくタグ付けされている。

そして着ぐるみ界には、目には見えないカーストというのがあり、そのカーストと上記の仲良しグループのタグ付けというのは相互に関係している。
すなわち"上位"の者と遊ぶと、その人も上位の者ということとなり、"下位"の者と遊ぶとゲフンゲフン

まあ、もっとも"上位"の者と遊ぶのも考えものである。あまりに意識の高い人たちと絡んでいると、面倒臭い・畏れ多いなどとして敬遠されがちになる。
つまり周りから、毎日1万円近くするランチなディナーばっか食べてると思われるのである。これでは、なかなか食事に誘ってもらえない。

一方で"下位"の者と遊ぶと、これはもう、周りからは夏場はセミしか食べない人と認識されるのである。そうなると、あの人と一緒に食事に行きたいなと思われても、「冬場はセミいないし、何を食べてこの人生きてるんだろう」みたいな心配をされるだけで、遊びに誘ってもらえないみたいな事態に陥ってしまうのである。

僕の師匠は、なかなかの悪食家みたいなところがあり、世で地雷と扱われてる人がいても、躊躇せずにそれを踏み抜いて、その爆発威力を楽しむみたいな趣味を持っている。
まあ、よっきーさんは脚が二三本吹き飛んでも、次の日の朝には生えてきてるので問題ないそうなのだ。なお、不発弾であることも少なくないそうだ。

が、セミばかり食べていると、いよいよ誕生日プレゼントでイナゴとか送りつけられてきそうなので、天下の美食博覧会と言われる白馬オフに参加したのがこないだの話。

僕の師匠は、カースト上位とされる、いわゆる"大御所"の主催者にちゅーをした上に、ちんこを揉むという、これまでの着ぐるみ活動経験を遺憾なく発揮する粗相を働き、見事Dポイント*1を獲得した*2
いかにこれまでの着ぐるみ活動経験で学んだことが誤りの連続だったかということの証左だろう。

よっきーさんは、僕と出会う前は、もっとまともな人だったんだけどね。僕と出会ってからがおかしくなってしまった。
よくもまあ僕みたいな人を弟子に取ってくれたものだ。
…………あっ、僕が美味しそうな"セミ"だったからか。

いやー、思わぬ結論に至りましたね。

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*1:出禁ポイントのこと。白馬は、美食博覧会であり、"ドレスコード"が厳しいので、ちょっとでも粗相を働くと出禁を喰らうに違いないという勝手な想像で生まれたネタ。

*2:冗談です。別に本当に出禁になってないです。念のため。